NWEC夏の交流フォーラムへの参加報告

         

        

 2008829-91日、埼玉県嵐山町にある国立女性教育会館(通称NWEC)で開催された「男女共同参画のための研究と実践の交流推進フォーラム」に当研究会から荻上、斉藤が会場に足を運んで参加し、メディア・コミュニケーションと男女共同参画についてをテーマとするワークショップに直接参加した上で、トップダウンの男女共同参画の流れが現在どのように進行しているのかを分析した。また、当研究会からは新たな方向性となるワークショップ企画を実施し、現状に対する対抗モデルを提示した。当研究会が行った企画は、 「情報発信メディアと男女共同参画の視点ーミニコミからインターネットまで 多様な取り組みから」というワークショップである。このワークショップには当研究会4名全員参加(小山、山口はオンライン参加)、他に6名の研究者、実践者にパネリストとして参加していただいた。会場には約30名が集まり活発な意見交換が行われた。

参加したワークショップでは、全国の男女共同参画センターが規模の縮小もしくは指定管理への移行などにより縮小傾向が見られるということで、常勤、非常勤スタッフや地域の男女共同参画運動関係者は危機感を募らせていた。それに対して、女性学やnwecから出される男女共同参画政策は、依然として従来通り「女性情報でエンパワーメント」「ワークライフバランス」「ひとつ働き方を変えてみよう。カエル!ジャパン」などnwec、世界女性会議などの情報を民間に下ろしていくトップダウン型を堅持し、地域で起きている不況や地盤地下の現実と遊離した非現実的な男女共同参画政策を浸透させようとしていることがわかった。また、在留外国人やエスニックマイノリティ、クィアなどの話題も出てこず、情報といえば図書館の書籍情報が中心で多様性がなく、情報テクノロジーの進展にも無関心であることが判明した。

そうした、人々を一様にとらえた、多様性への視点が欠けたトップダウン型男女共同参画政策の浸透に対して、こちらは対案的なワークショップを開催した。

 対案をなす要素は、第一に、現在主流の「男女共同参画政策」枠から外されがちな、「クィア」に焦点をあてることで、既存の「ジェンダー」枠や主流の「セクシュアリティ」のありかたそのものを疑い、より多様な現実をみすえたコミュニケーション課題について考えたことである。運動の使うメディアがミニコミからインターネットと変化する中で生じている、フェミニズム運動やクィア運動におけるコミュニケーションの課題についてさまざまな提起があった。

 第二に、中産階級中高年の女性(および年金生活者の男性)を対象としがちな「男女共同参画政策」に対し、当ワークショップでは20代、30代の声、性別二元制やヘテロセクシズムに疑義を呈する声など、多彩な声を反映する必要性を明らかにした。

 

 第三に、当ワークショップにおいて、インターネットを通じてアメリカの2つの都市に住む当研究会メンバー山口、小山による映像、音声つき議論への参加を実現したことで、限定されたフォーラム参加者内のみならず、nwecの男女共同参画フォーラムでの議論を外部にも広げる新たなモデルを提起した。

 なお、当研究会のワークショップは、後日インターネットを使った動画配信も行い、参加者によるブログでの報告も行われた。ワークショップについての報告は、こちらで詳述されている。

 

 

 

 

 

 

 

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