新たなプロジェクト発足

当グローカルフェミニズム研究会がサントリー文化財団からの研究助成をもとに2008~9年度にわたって行ってきた、『メディアイベントとしての「ジェンダーフリー論争」と「男女共同参画」の未来』での研究成果をベースとして、『ネット言説と変わりゆく市民運動 ―現代日本における国家・人種主義をめぐって』と題した新たな研究プロジェクトを立ち上げ、2010年11月からの2年にわたり、トヨタ財団の研究助成プログラムの助成をいただくことができました。

トヨタ財団のサイトから、『ネット言説と変わりゆく市民運動 ―現代日本における国家・人種主義をめぐって』概要をご覧いただくことができます。

トヨタ財団助成プロジェクトでは、今までのグローカルフェミニズム研究会メンバーに加え、新たな共同研究者の方々にも加わっていただきました。今後の研究進展に関しては、又ネットにおいても随時報告していきたいと考えております。また当ブログにもリンクをはるなどして、お知らせさせていただく予定です。

過去2年にわたり助成をくださったサントリー文化財団、そして今後2年間に新たなプロジェクトに関して助成をいただいたトヨタ財団に感謝申し上げます。

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「男女共同参画条例」をめぐる調査をしています

5−6月にかけて、グローカルフェミニズム研究会では、宮崎県都城市、千葉県など、男女共同参画条例の制定をめぐり注目を集めた地域に関して、調査を行ってきました。それぞれの地域に伺い、条例制定やそれをめぐる議論に関わった、議員、市民運動家の方々、および担当の行政職員の方や、取材をしたジャーナリストの方々など、様々な立場の方々に直接インタビュー調査を行いつつ、当時の報道や文書についても収集してきました。

現在、調査結果の整理、分析の最中で、成果を論文としてまとめていく予定です。同時に、今後も調査は続行していきます。

研究プランの概要

1990年代以降進められた男女共同参画政策や、行政から組合、教育現場へと広がっていったジェンダーフリー教育に対し、2000年以降批判の動きが生じた。特に男女の性役割の重要性を唱える保守派による主張は、新聞や雑誌など従来のメディアに限らず、ホームページ、インターネット掲示板、ウェブログなど新しいメディア・ツールを駆使して展開された。

本研究では、日本の男女共同参画政策の現状とフェミニズムと保守運動の係争について、批判対象となった 「ジェンダーフリー」という言葉が 「発見」された1995年から現在に至るまでの歴史を、コミュニケーションメディアとの関わりという視点から検討する。男女共同参画をめぐり注目を集めた地方の現場では実際にどういったことが起きているかを現地での綿密な調査により明らかにし、また大都市圏と地方との都市間経済格差、階級的な格差、世代間の格差、国際移動といった視点を入れて考察する。フェミニズムとナショナリズムの交差という事例をみることで、コミュニケーションメディアが市民運動や社会変化に果たす影響についても考察する。異なる場所で学問研究をし、専門領域を異にする研究者による共同プロジェクトを組むことで、ネットでの言説とリアル社会との交錯について多様な方法論を使い、公開の研究会において幅広い観点からの議論を積み重ねることで解明する。